Top Page サッカーのアルゴリズム 日本式蹴球 「知」のスピードが壁を破る

2008年06月12日

「知」のスピードが壁を破る

「判断力のラグビー」で世界を目指した

「メニイパターン」は、選手の創造力や判断力を必要としない。その分、時間をかけずに強化を行い、型を完成させることができる。ジャパンの目標としたラグビー「クイック&オプション」は、選手個々の判断力で展開するものである。我々の戦術のほうが高度であり、強化により多くの時間を必要とするが、体格の差がある時には最も有効な戦略である。「クイック」で時間を先取りし、「オプション」の多さで相手に的を絞らせない。この戦略で世界に挑戦しようとしていた。

「判断力のサッカー」のヒントになりますね。

チームプレーが下手な日本人

日本人はチームプレーが得意、という評判がある。だが、本当にそうなのだろうか。
【中略】
日本が得意とするチームプレーとは、優れた個人技を融合してでき上がったものではなく、あるフォーメーションをまずつくり、そこに個人を当てはめていくというものだ。まず決まった型があり、それに合わせて個人が練習していく。
【中略】
主体性よりも協調性が重視される。チームワークを協調性だけで成り立たせようとすれば、横並びをよしとして、出る杭をよってたかって打つ方向に走る。
【中略】
私は、主体性を持った個人がつくっていくのがチームだと考える。だから、チームは日一日と進歩するのだ。チームの各部分が主体性をもっているからこそ、柔軟性をもった対処・対応能力がついてくるのだ。

日本人が得意と評判のチームプレーは、本当のチームプレーではないんですね。

ラグビーでは、ゲーム中に監督がグラウンドにいる選手に指示を出すことはできないそうです。

子供たちのサッカーでは、ベンチにいる監督はもちろん、タッチライン沿いに陣取った親達までもが、グラウンドにいる選手に指示を出していることがありますね。

これは、自分が覚えてきた型をグラウンドにいる子供に伝えるためですかね?
みんながやっているのと同じサッカーをさせるためですよね?
我が子には失敗をさせたくないと思う親心ですか?

だから、日本人はいつまでも同じサッカーをし続けるんですね。
だから、日本のサッカーを変えられないんですね。

「知」のスピードが壁を破る―進化しつづける組織の創造 (PHP文庫)

「知」のスピードが壁を破る
進化しつづける組織の創造
著者: 平尾 誠二
出版社: PHP研究所
発売日: 2001/12

トライ・アンド・エラーが、判断力を育てる

今、教育で最も欠けているのが、このトライ・アンド・エラーの考え方ではないかと思う。答えや結果を速く出させることに重点を置いて、最初から一つの方法を教えてしまう。模範解答がすでにあって、それに合わせて教えていく。試してみたことを評価せずに、エラーだけをみて減点していく。それでは、試してみる力そのものが失われていくだろう。

【中略】

子供の頃に難しいことに挑戦させてみることが必要だ。それができるかできないかは、そのときの当人の力量によって変ってくるが、「とりあえず挑戦してみよう」という気持ちをもたせることが大事である。失敗を恐れたり、「どうせ駄目だ」と挑戦しないで逃避したりしていれば、いつまでたっても自分を成長させられない。

親が失敗した子に対してどう対処していいかわからないから、失敗したときのダメージを考え、挑戦させずに逃げ道ばかりを用意するようになるのではないか。これは、愛情でも助力でもない。

【中略】

トライ・アンド・エラーは、可能性を探るための一つの考えだ。失敗をダメージと捉えれば、試してみることすらしなくなる。失敗を叱るのではなく、まず試してみたこと、トライしたことを褒める気持ちが大切である。そして、トライ・アンド・エラーを繰り返して経験を積むことで、実践での判断力が身についてくる。

タイミング良く、とてもいい本に出会うことができました。

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» 2009.06.23のさっかーのーとから from footbrain

それは一つの動作を考えててもダメ。いろいろな状況の時のパターンを考えておく。

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