ありがとう
「今日の試合を観て、おとうさんのサッカー、どうだった?
こうしたらいいなって思う事はあった?」
今日の試合を観戦してくれたこどもに聞いてみた。
「相手ゴール前あたりにずっといないで、ボールをとりに動いたら良いんじゃないかな」
なるほど、よく見ていたね。実は僕もそう思っていたんだ。
「そうだね。おとうさんもそう思うよ。
だけど、おとうさんがボールをとりに下がったら、どうなる?
動き回ったら、相手のバックスはどうするだろう?」
「おとうさんについて行くかな。たぶん」
「そうしたら、ゴール前はどうなる?
相手のバックスはラインをどうするかな?」
「そうだね。おとうさんはいつもオフサイドぎりぎりのところにいるよね。どうしてなの?」
今日は、こどもと約束していたんだ。「ハットトリックをするぞ」って。
指切りをして、約束を守れなかったらベーゴマを五つあげるってことになっていた。
理由はそれだけじゃないんだろうけど、きょうはいつもよりよく観ていたね。
結局僕は一点も得点できなかったけど、こどもはベーゴマの事を口にしなかった。
自分がいつも得点できずに悔しい思いをしているから。
だけど、チームが勝てた事が嬉しいって事も知っているから。
少しはサッカーが解るようになってきたのかな。
相手の選手に蹴られた脚を心配してくれたね。
荷物を持つのも手伝ってくれた。
ハットトリックは達成できなかったけど、なんだか嬉しいな。
次の試合では、もう少し動きを工夫してみるよ。
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