「アイデア」というフィルタをかけて観てみる
指導者講習会の実技でミニゲームを行った時のことだった。
ゴールに背を向けている僕の足元にパスが通った。僕は振り向くことをせず、足元に来たボールをインサイドで叩き、立ち脚の後側を通してゴールを狙った。
と同時に、ピッチの外でゲームを見ていたインストラクターの視線を感じて、「しまった」と思った。「どうして振り向いてゴールを見ない」ぐらいの注意をされるかなって思ったんだ。
そのゴールを狙ったキックは、枠に入ることはなかったけど、インストラクターは、「良いアイデアだ」って褒めてくれた。
この言葉で安心したというか、気が楽になったというのか、いつも通りにやってみようって気持ちになることができた。なんだかとても嬉しかったことを覚えている。
自分のPLAYを褒めていただいたものの、「ゴールに入れなければ」って思った。アイデアを結果に繋げないといけないと、素直に反省することができた。
最近、サッカーの試合を観る時にはいつも、この「アイデア」を意識してみるようにしている。特にこどものゲームは、「アイデア」を通してPLAYを評価するようにしたいと思う。
そうしたら、しかめっ面をしなくても試合観戦ができるようになった。
褒めてあげるところを以前より見つけられるようになった。
直さなければいけないところにフォーカスできるようになった。
今頃になって、「引き出す」ってのはこういう事なのかなって感じる。
「教える」というよりは、「しつける」。
「付け加える」というよりも、「引き出す」。
暫くはこんな感じでこどもと付き合っていこうかな。
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