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2006年11月02日

あんこ玉の法則

僕が子供の頃は、おやつなんて気の利いたものは我が家に存在しなかったから、
小学校から帰るとすぐにその日の分の小遣いをもらい、駄菓子屋へ行ったもんだ。

小遣いを全部使って、できるだけたくさんの買い物がしたい。

ラムネを飲んで、ソースせんべいを食べて、麩菓子を食べるフルコースにしようか、
友達とおしゃべりしながらもんじゃを食べようか、
頭の中でソロバンを弾きながら、きょうのメニューを考えたよね。

美味しい甘いものも食べたいし、おもちゃも欲しい、くじ引きもしたい。
そんな子供心をくすぐるのが、くじ付きのお菓子だったな。

紐が付いたカラフルな色の飴があったよね。
指先ぐらいの小さなものから、口の中に入りそうもない程大きなものまであって、
束ねてある紐を引くと飴が寄ってくる、あれ。
それから、忘れちゃいけないのが「あんこ玉」。

何も入っていないもんじゃ一杯を食べるお金で、あんこ玉が三つ買えた。
きな粉がまぶしてあるあんこ玉の中に白い玉が入っていると「当たり」で、
二回りぐらい大きなあんこ玉を一つもらう事ができた。

だけど、白い玉が当たるともう一回、当たり続けるかぎり何度でもあんこ玉がもらえる、
あっちのほうが僕は好きだった。

それでね。
毎日のようにあんこ玉を買っていたら、
箱の中に綺麗に並んでいるあんこ玉の配列に法則があって、
その法則に従って「当たり」が並んでいる事に気づいたんだ。

最初の一個のあんこ玉が当たりだったら、続けて五個ぐらいは当てる事ができた。
その日に当てたあんこ玉をおにぎりみたいにして食べた事もあったな。

だけどこれ、的中するときとしないときとがあった。
当時は不思議だなって思っていたけど、今考えれば当たり前だよね。
当然機械で箱詰めしていた訳じゃないだろうし、
箱詰めした職人さんのクセとか習慣、ひょっとして「いたずら」だったんじゃないかな。
あんこ玉
駄菓子屋へ行くと、算数ができるようになった。
学校では教えてくれない算数を見つける事もできた。
暗記させられる九九なんか、覚えさせられる前に駄菓子屋でとっくに覚えていた。

いまどきのこどもは可哀想だね。
算数を覚えても、使う場所が無いんだからさ。

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