Top Page サッカーのアルゴリズム ジョゼ・モウリーニョ

2008年07月29日

ジョゼ・モウリーニョ

ジョゼ・モウリーニョ

ジョゼ・モウリーニョ
著者: ルイス ローレンスジョゼ モウリーニョ
原著: Lu´is LourencoJos´e Mourinho
翻訳: 西竹 徹
監修: 西岡 明彦
出版社: 講談社
発売日: 2006/03

本の表紙に「『KING OF 監督』誕生ストーリー」とあるとおり、「監督人生を綴った本」で、期待した内容とはほど遠く、「図書館にあってよかった」なんて思いながら読み進めていました。

それでも、「ポゼッション」についてあれこれと考えている今の僕には、何点か興味深い記述がありました。

ボールを使った休憩とローテーションシステム

「それは私が"ボールを使った休憩"と呼んでいたものだった。我々が採用していたプレースタイルでは、休憩がどうしても必要だった。そうしないと試合終了まで体力がもたなかったのだ。そして一番いい方法、一番リスクが少ない方法が、ボールをもっている時に休むというやり方だった。

【中略】

大切なのは、プレッシャーをかける時と休むときの緩急の使い分けだった。また、休むにしても、ただボールを保持すればいいというのではなく、積極的に休もうとする姿勢が重要だった。ポゼッションするためのポゼッションであり、本当の意味での休憩ではない。だが、ボールを足元においていれば、ゲームを支配するということになるし、走る必要がないので、必然と体力を回復できたのだ」

どんなプレースタイルでも、どんな年代のサッカーであっても、試合中どこで休むのか、どこで仲間を休ませるのかってことは、とても重要なんですね。

たとえ足元でキープすることができなくても、スムーズにボール回しをする事ができなかったとしても、頭を使えば仲間を休ませる事はできるはずだと、僕は思います。

ボールを使った休憩とローテーションシステム

これを実践するためには、ハードな練習が必要だった。トレーニングではあらゆる状況を想定して、どの状況が、ボールを奪ったらすぐにリスクを冒して攻めるべきなのか、どん状況が、チャンスを作る可能性が少ないから、ボールをキープするべきなのかを、徹底的に教え込んでいった。しかしこの方法は、さっきも言ったようにに選手の体力を消耗させる。ボールをもっていなかったら、たとえ相手陣内に攻め込んで行ってでも、奪い返さなければならなかった。そしていったんボールを奪い返せば、すぐに攻められるチャンスがあるか、体力はまだ残っているか、あるいは、そのままボールをキープし、体力を回復させる方に集中するべきなのかを、即座に判断しなければならなかった。

最終的には「技術」が必要ってことにはなってしまうのでしょうが、「判断」の速さと正確性が無ければ、その技術も活かされません。

「今がその時なのか?」「闘う準備はできているのか?」と、自分たちが今置かれている状況を分析する能力が選手にも必要だという事ですね。

シーズン序盤は毎年好位置につけているのに、夏になって暑くなると苦戦を強いられ順位を落としてしまう、どこかのチームに必要な事はこのあたりなんだろうなって思いました。

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