良いプレーとは、「勝ちたい」と思うこと
Technical news Vol.29 P.49に、「JFAアカデミー福島での3年間と育成への提言(vol.1)」と題された、クロード・デュソー氏と布啓一郎氏との対談が書かれています。
その中で、
布 : フットボールをしている。フットボールを理解する。非常に難しいことです。日本の指導者にもう少し噛み砕いてメッセージを出せますか。日本人はボールを扱えるが、フットボールはしていないということについて。
に対して、デュソー氏は、
デュソー : この差は、日本ではDFはDF、MFはMF、FWはFWになっている、攻撃と守備が分業されているのではないでしょうか。コンセプトを少し変えなくてはいけないと思います。まずはチーム全体で、全員が攻撃し、守備しなくてはなりません。FWはアタックを終わって守備をしなくてはなりませんが、必ずボールを奪うというよりも相手の妨害をします。また、日本で言うボランチのポジションを表す言葉は、フランスでは「ボールを奪う人」という意味になります。日本ではボランチはボールを奪えていません。
と、
布 : ゲーム環境、トレーニング環境は大事ですね。攻める人と守る人が分かれてしまっているという話がありましたが、これは同感です。その考え方を変えるために、日本人にどういう提言がありますか。
に対しては、
デュソー : 子どもたちにフットボールをさせる、ということです
と応じています。
布 : 全員が攻撃し、全員が守備をする、つねに関わり続けるということでしょうか。
には、
デュソー : 全員がプレーに参加する。ただ半分は守備をしなくてはいけない、ということを教えなくてはなりません。
(中略)
16歳以上の育成の段階になれば、中盤、FW、守備それぞれのトレーニングをしていきます。徐々にそうしていけばいいと思います。ただし、何がよいプレーかを知らなくてはなりません。まず、ボールを奪いたい。攻撃できるときはする。攻撃を準備する。早く行けるときは早く行く。それがフットボールです。
プライオリティーは、こどもたちが楽しくフットボールするということです。例えばディフェンダーでドリブルする人に、禁止と言わない方がよいでしょう。ドリブルをして点をとられても、この年代は問題ありません。将来に向けた育成に関わる人であればもちろん分かることだと思います。
良いプレーとは、「勝ちたい」と思うこと。
簡単にスローインにしない、簡単に意図のないロングキックをしない。私にとってはそれが良いプレーです。
とありました。
指導者がまず、
- フットボールとはなにか?
- 良いプレーとはなにか?
を考え、答えを持っている、もしくは答えを求めていること。
これが日本のサッカーに必要なことなんだって、思いました。
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